夢に向かって飛び立つ

CJVP第34回サロンのご報告


   4月19日(日)、CJVPは「テレサロン」と題して、はじめてZOOMを使った疑似“対面”サロンを行いました。新型コロナウィルス感染症の影響で、外出自粛を余儀なくされる時期だからこそ、仲間とつながっていることを実感したり、心身の健康を保つための情報交換を行ったり、励ましあったりすることが必要と考え、理事全員が協力しあって実現しました。

   通算34回目となる今回の交流サロンには、中国各地と日本各地から合わせて31名の会員の方々が参加申込みをしました。申込時にアンケートをとったところ、ZOOMを「よく使っています」がわずか6名で、「まだ慣れていない」が12名、「まったく使ったことがない」が13名、という結果になりました。そのため、本番の前日に練習タイムを設け、初心者を中心に、すべての希望者にZOOMミーディングの基本的な参加方法について講習を行いました。その甲斐があって、サロン当日はほぼ全員スムーズに参加していただけました。
    サロンは、まず、参加者全員がカメラ越しに乾杯し、続いて新しい顔に自己紹介をしていただいたあと、目玉の話題提供スピーチ・リレーを行いました。スピーチ・リレーは以下の通り、多岐にわたりました。  
    1. 張燦氏(北京法人代表)
題目:北京防疫介绍及今后的思考(北京の感染症予防の紹介と今後について思うこと)
内容:北京はロックダウンが解除されている今でも、公共スペース、職場、団地などあらゆる場所で体温測定の徹底、体調報告システムの完備、ソーシャルディスタンスを確保、ITやAIを活用した健康情報管理など予防に努めている。感染の長期化が予想されるなか、世界が協力して勝ち取っていかなければならない。その経験が将来新たな感染症に人類が襲われた時の力になると確信する。

    2. 今井佳子氏(日本教師代表)
題目;在宅勤務
内容:学校や大学休校中で、基本的に家で仕事をしている。オンライン授業が少しずつ始まっている。しかし、大学ではまだ環境が整いやすいが、学校のほうはインターネット機器環境が不十分なところが多い。インターネット接続上の安全性を重視するあまり、ICT教育が進んでいないのが現状で、今のニーズに対応できない。

    3. 新井信之(通訳案内士代表)
題目:冬天来了,春天还会远吗?(冬が来た。春は近い)
内容:仕事上中国との業務が多い。感染が広がりはじめた時期から正確な情報収集に努め、予防に役立つ知識を集め、日中間の通航・通関状況を把握し、それらを社内に発信。社員や関係者の焦り、混乱を緩和しつつ、中国に対しメッセージ付きで支援物資を送るなどした。できないことを愚痴るよりできることに目を向けよう、をモットーに活動を行っている。

    4. 張美霞氏(北京語言大学教授)
教外国人汉语的几个原则的问题(外国人に中国語を教える際のいくつか原則的な問題)
内容:理論文法と教授文法の違いについて、具体例を挙げながら解説。文法を教えるために教えるのではなく、コンテクスト、文脈の中で教え、正しく使えるようにしなければならない。

    5. 宮川曉人(理事会代表)
題目:新型コロナ肺炎、東京からの報告
内容:東京の状況を具体的な数字や図表を用いて説明。

    6. 周軍(医師代表)
題目:コロナウィルスが流行っている時期、中国伝統医学の予防方法
内容:中国伝統医学の治療法は今回の感染症との闘いの中、特に軽症の感染者の治療に効果を奏した。日本では軽症の患者に対してほとんど何も治療を行っていないが、日本で市販されているいくつかの漢方薬も有効である。

    どのスピーチも内容が大変充実していて、大いに参加者の興味を引きました。スピーカーの方々も熱が入り、持ち時間をオーバーしながら、貴重な話を参加者とシェアしてくださいました。しかし、ZOOM無料版には40分という時間制限があるため、中断と再開を繰り返してようやく、質疑応答、自由発言を含む全プログラムをこなすことができました。  
    運営側にとっては反省点も多々ありましたが、初の試みにしては「成功した」と考えてはいいのではないか、という結論に至りました。参加者からは、楽しかった、勉強になった、もっとスピーカーの話を聞きたい、ZOOMにだいぶなれました、という感想が寄せられました。
     CJVPはこれまでWechatというSNSツール上で週一回のオンライン学習を行ったり、交流したりしてきましたが、文字入力に時間がかかったり、顔が見えなかったりという欠点もあります。また三カ月に一回の対面交流は遠方からの参加が難しく、会場までの移動時間、交通費、会場料などがかかります。今回試したZOOMはそれらの欠点を補う有効手段であることが確認できました。今後ZOOMを活用しながら、日中民間交流と相互学習の新しい形を会員とともに楽しんでいきたいと、理事たちと確認しあいました。
     文責 CJVP理事 胡春平