開催日 2022年4月23日 20時から
講師 張美霞 北京語言大学副教授 講話題名 中国姓氏文化について 参加人数 18名 今回のお話は漢字文化圏の皆さんの誰もが持っている ナマエ の漢字の由来についてのお話です。漢字ですから当然ですが古代の中国のお話になります。 今ではナマエの基本は姓名とか氏名とか呼ばれて簡単な構成になっています。しかし歴史的に見みるとナマエにはもっと複雑な構造になっていました。 古代中国は母型社会でした。そのため姓の漢字には女という文字が必ず含まれていたとのことです。嬴(赢ではない)という姓もあったようですが、今でもよく使われている姓としては姜と姚があります。しかし姓だけでは集団の人口が増えてだんだん区別がつかなくなって“氏”という分類が追加されたとのことです。 中国の古代には姓・氏・名・字があって歴史上有名な中国の偉い方々には表に出ないナマエの部分があったというお話がありました。 図は有名な孔子のナマエを詳しく分析した例です。このようなナマエはあくまでも偉い人だけのもので、一般人には適用されません。 誰もが知っている孔子は、姓は子:氏は孔:名は丘:字は仲尼だそうです。 またこれも有名な姜子牙の場合。姓は生姜:氏は呂:名は尚:字は子牙です。 有名な姜太公釣魚、愿者上鈎という言葉があります。 意味は:太公望は世を避けるため、まっすぐな針(曲がっていない針)で釣りをしていた。こんな針に掛かる魚は自分から好んで釣られた魚である。 更に姓・氏・名・字以外に大名や小名のようなニックネームもあります。 三国志で有名な曹操の場合は、姓は曹:名は操:字は孟徳ですが、ニックネームの幼名は阿瞒でさらに吉利というものもあったようです。日本でも偉い人は昔は幼名を持っていたようです。源義経の幼名が牛若丸というのは有名です。 何しろ皆さんが持っているナマエの漢字に関するお話ですから、参加者からもいろいろな議論が出て、非常に有益で活発なサロンとなりました。 (文責:伊藤進) |